感染症の話
15年前に小学校の保健委員会でお話した〈感染症の話〉をもう一度お話ししたいと思います。
この夏、RSウイルス、手足口病、マイコプラズマ、なんとインフルエンザもいろいろな感染症が流行りましたね。
感染症、て何でしょう? ‘うつる’病気? でしょうか。自分がうつらないようにする、そして人にうつさないようにする。そのためには、まず、その病原体がどうやってうつるのかを知らなければなりません。
〈インフルエンザ〉のような主に呼吸器感染は、セキやクシャミ、鼻汁のような口から飛び散る小さな水滴、これを飛沫といいますが、この中に入ってうつります。これは飛沫感染です。ですからツバの飛ぶ2mくらいの範囲を隔離すればいい。ということになります。だからある程度マスクも有効です。
それに対して〈感染症胃腸炎〉は大腸菌やカンピロバクターという菌によるものと、ノロウイルス、ロタウイルスのようなウイルスによるものがあります。いずれにしても、口からうつる経口感染です。ただ、これらは経口と飛沫と両方あります。手洗いやうがいは有効ですが、菌やウイルスを殺すのが目的ではなく洗い流すことが目的です。
困るのが〈空気感染〉という小さーいウイルスによるもの。例えば、水痘(水ぼうそう)で、これは同じ教室に長い時間一緒にいるだけでうつる可能性があります。この予防は、まず、かかった人には休んでもらうこと。休む期間も大事です。つまり、熱がなくて本人が元気だから学校に行ってもいい、というわけにはいかないのです。そこで、かからないようにするために有効なのは、予防接種です。そして、かかってしまったら充分な栄養と休養を心がけて下さい。
10月からインフルエンザの予防接種(港区は、定期:65歳以上の高齢者と6か月~18才までの子ども、成人は任意接種)が始まります。
インフルエンザウイルスは、毎年型が変わるので一年毎の接種になります。中には、接種をしても抗体のつきにくい人もいますが、インフルエンザワクチンには感染そのものをおさえることはできないので、感染をしても重症化しにくいということで有効といわれています。重症なインフルエンザというと肺炎を思い浮かべますが、もう一つ問題なのが脳炎、脳症です。
体調の良い時に、早目(10月~11月)に接種をするのがいいと思います。